「マイクロチップって、うちの子も必要なの?」——ペットを迎えるときによく聞かれる疑問です。
日本では2022年6月から制度が変わり、立場によって「義務」か「努力義務」かが分かれます。
さらに、ブリーダーやペットショップからすでにチップが入った子を迎えた場合と、以前から飼っている子に新しく装着する場合とでは、必要な手続きも異なります。ここでは2026年7月時点のルールと手続きを、費用や狂犬病予防法との関係もあわせて、はじめての方向けに整理します。
日本のルール(2022年6月1日〜)
改正動物愛護管理法により、次のように定められています(環境省の資料によると)。
- ブリーダー・ペットショップ(販売業者):販売する犬・猫へのマイクロチップ装着と情報登録が義務です。
- ペットショップ等から購入した飼い主:すでにチップは装着済みなので、飼い主の情報へ「変更登録」するのが義務。犬・猫を譲り受けてから30日以内が期限です。
- 2022年6月より前から飼っている/知人や保護団体から譲り受けた場合:装着は努力義務(義務ではないが推奨)です。ただし、いったんマイクロチップを装着した場合は、その情報の登録自体は義務になります。
すでにチップが入った子を迎えたときの手続き

ブリーダーやペットショップから犬・猫を迎える場合、装着証明書や登録証明書が一緒に渡されます。そこに記載された暗証番号を使い、環境省の指定登録機関である公益社団法人 日本獣医師会の「犬と猫のマイクロチップ情報登録」サイトで、パソコンやスマートフォンからオンラインで変更登録の手続きができます(郵送も可能)。証明書を紛失すると再発行にも手数料がかかるため、迎えたその日のうちに家族の分かる場所に保管し、変更登録も早めに済ませておくと安心です。
以前から飼っている子に新しく装着・登録する場合
すでに飼っている犬・猫や、知人・保護団体から譲り受けた子については、マイクロチップの装着自体は義務ではありません(努力義務)。装着を希望する場合は、動物病院で獣医師に依頼して専用の器具で皮下に埋め込んでもらい、発行された「装着証明書」を使って、同じく環境省の登録サイトから情報登録を行います。装着した以上、登録をしないままにしておくことはできない点は覚えておきましょう。
費用はどれくらい?
新規登録・変更登録の手数料は、2024年4月の改定でオンライン申請400円、郵送申請1,400円になっています(環境省)。一方、引っ越しや電話番号の変更など、すでに登録した内容を修正するだけの手続きは無料です。情報が古いままだと、迷子になったときに保護施設や動物病院から連絡が届かないおそれがあるので、住所や連絡先が変わったら早めに更新しておきましょう。手数料は今後も改定される可能性があるため、最新の金額は登録の際に環境省のサイトでご確認ください。
犬の鑑札とマイクロチップの関係(狂犬病予防法の特例)
犬を飼うと、狂犬病予防法にもとづき市区町村への登録(鑑札の交付)と毎年の狂犬病予防注射が必要です。
マイクロチップの義務化にあわせて、条件を満たすとマイクロチップ自体が鑑札とみなされる特例制度が設けられました(厚生労働省の資料によると)。対象は生後91日齢以上でマイクロチップを装着・登録した犬で、お住まいの市区町村がこの特例に参加している場合に限られます。
参加していない市区町村では、これまで通り窓口での犬の登録手続きが必要です。
また、この特例はあくまで鑑札についてのもので、毎年の狂犬病予防注射と注射済票の交付は特例の対象外のため、別途の手続きが必要な点も忘れずに。参加状況や運用は自治体によって異なるので、お住まいの市区町村の窓口やホームページで確認しておくと安心です。
海外ではどうなっている?
マイクロチップは世界的に普及しており、EUの「ペットパスポート」など、渡航や輸出入の際に装着が前提となる国・地域が多くあります。海外へ連れて行く場合は、ISO規格のチップや狂犬病ワクチン・抗体検査など、渡航先ごとの要件を早めに確認しておきましょう(国により条件が異なります)。
いちばんの意味は「再会できること」
マイクロチップは、迷子や災害ではぐれてしまったときに、飼い主のもとへ帰るための身元証明になります。装着したら登録情報を最新に保つことが何より大切です。あわせて、マイクロチップの番号や登録日、狂犬病予防注射の時期などを、家族の誰が見てもすぐ分かる場所にメモしておくと、いざというときや家族で分担してお世話するときにも役立ちます。
ご注意
本記事は2026年7月時点の情報をもとにした一般的な案内です。制度・手数料・狂犬病予防法の特例の参加状況は自治体によって異なり、また改正されることがあります。手続きの詳細や最新情報は、環境省「犬と猫のマイクロチップ情報登録」、厚生労働省、および公益社団法人 日本獣医師会の公式情報、お住まいの市区町村の案内をご確認ください。

